からかわないでよ、千景くん。
「じゃあ、席移動させてくれー!」
先生の掛け声で、一斉にガタガタと動き出す。
志緒ちゃんから「お昼は必ず一緒に食べようね!休み時間も会いに行くからね!」と熱烈ハグをもらって、
私も自分の机を動かす。
(廊下側から2番目…一番後ろ…)
志緒ちゃんと離れちゃったから、心配だけど…。
隣の子は誰かなーとワクワクしていると…
「あ、やったー。なずなの隣だ。よろしくね」
「ちっ…千景くん」
人懐っこい笑顔を浮かべるこの男───── 千景捺。
ふわふわの犬みたいな焦茶の髪に、綺麗な二重の瞳。
誰もが二度見はするほどの綺麗な顔立ち——の割に178はあるだろう身長。
男女分け隔てなくこの笑顔を向けて、1年の時はクラスの大半を虜にしてた。
恐るべし、千景捺。