からかわないでよ、千景くん。
沈黙が流れる。 そして、千景くんはボソッとつぶやいた。
「なずなは、そのまま俺のことだけ考えてればいいよ」
その言葉に、私は思わず顔をあげた。
(それって…どういうこと?)
「やっと、顔見れた」
千景くんの言葉に、私は思わず声を漏らした。
「あ……」
顔が、熱い。 絶対、真っ赤になってる。
隠したい。
でも、もう一度千景くんの胸に顔を埋める勇気はなかった。
急に恥ずかしくなってきて、そっと千景くんから体を離す。
距離を取ったはずなのに——
「なずな」
名前を呼ばれて、心臓が跳ねた。
千景くんの手が、私の方へ伸びてくる。
その瞬間、私はギュッと目を瞑った。