からかわないでよ、千景くん。
すると、教室の扉が開いた。
入ってきたのは——千景くんだった。
「千景おはよ!」
笹村くんが、元気いっぱいに声をかける。
「おはよ」
千景くんは、だるそうに答えた。
その声は、いつもより低そうで、眠気がにじんでる。
「笹村、朝から元気だね」
千景くんが、笹村くんを見てそう言った。
「千景は眠そうだな〜」
笹村くんが笑って返す。
(この2人、ほんとに真逆だなあ)
朝の教室に並ぶ2人を見て、そんなことを思った。
千景くんは、朝弱そうだし。笹村くんは、朝から全力。