からかわないでよ、千景くん。



すると、教室の扉が開いた。


入ってきたのは——千景くんだった。



「千景おはよ!」



笹村くんが、元気いっぱいに声をかける。



「おはよ」



千景くんは、だるそうに答えた。

その声は、いつもより低そうで、眠気がにじんでる。



「笹村、朝から元気だね」



千景くんが、笹村くんを見てそう言った。



「千景は眠そうだな〜」



笹村くんが笑って返す。


(この2人、ほんとに真逆だなあ)


朝の教室に並ぶ2人を見て、そんなことを思った。

千景くんは、朝弱そうだし。笹村くんは、朝から全力。


< 69 / 277 >

この作品をシェア

pagetop