からかわないでよ、千景くん。



「千景もそろそろ彼女作るんじゃないかな~」



志緒ちゃんが、私の顔をちらっと見ながら言った。



「そうだね、モテるもんね…」



その言葉を口にした瞬間、胸がズキッと痛んだ。

千景くんに彼女ができたら、私と話す回数も減るのかな。
あの、屋上の扉の前の時間も、なくなるのかな。

そう思うだけで、苦しくなる。

この前もそうだった。 女の子たちが千景くんの話をしていたとき。 “また振ったらしいよ”って言葉に、胸がざわついた。

私、千景くんに彼女ができるのが嫌なんだ。
千景くんのことが好きな女の子がいるのも、嫌。



でも、それって…どうして?

自分の気持ちなのに、まだはっきり分からない。

でも、確かに胸が痛む。


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