からかわないでよ、千景くん。
「なずなが自分から言ってくれるようになるまで、待つからね」
志緒ちゃんは、少し寂しそうな顔でそう言った。
洗った筆を、タオルで丁寧に拭いている。
その姿が、なんだか遠く感じた。
(志緒ちゃんに、このこと相談しても…大丈夫かな?)
心の狭い奴だって思われない? 嫉妬してるみたいって思われたら、どうしよう。
ぐるぐると考えているうちに、時間は過ぎていった。
気づけば、授業が終わっていた。