からかわないでよ、千景くん。
千景くんの、満足そうな顔。
それを見た瞬間、胸がぎゅっと締めつけられた。
(なんだろう…私、今、千景くんの隣にいたくない)
その気持ちが、自分でもびっくりするくらい強かった。
「先生、体調悪いので保健室行ってきていいですか?」
立ち上がって、そう言った。
「1人で大丈夫かー?」
「はい」
千景くんの方は、一切見なかった。
教室を出るとき、涙が溢れそうだった。
(あんなに、千景くんの隣にいたかったのに)
今は、ただ遠くにいたかった。
自分の気持ちが分からなくて、でも痛みだけははっきりしていて
その痛みから、少しでも逃げたかった。