忘れたはずの恋心に、もう一度だけ火が灯る ~元カレとの答え合わせは、終電後の豪雨の中で~
再会
金曜日の仕事終わり。
30分の残業の後退社した私は、手短に友人にメッセージを送った。
『ごめん、今仕事終わった。向かうね』
『お疲れ様。店まで結構混んでたから気を付けて』
すぐに返って来たメッセージに、スタンプで返事をして電車に乗る。金曜日ということもあってか、いつもは疲れ切っている社会人の顔がどこか明るい。
(あー… 柄にもなく緊張してる)
そんな彼らとは対称的に、窓ガラスに映る自分の顔はどこか引き攣っていた。
これから会う友人のことが嫌いなわけではない。
ただ、
____≪次は○○、○○。お出口は右側です≫
アナウンスにハッとなった。ここで降りないといけないのに…危うく乗り過ごすところだった。
慌てて降り、手鏡で身だしなみを確認してから、待ち合わせをしている店へと向かった。
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