推理×LOVE=?
第五章 雨上がりの告白
暁先生が逮捕された後、教室には重い空気が漂っていた。
私は、信じられない気持ちと、ショックで、ただ呆然としていた。
憧れの先生が、私の密かな想い人だった先生が、まさか犯人だったなんて。
授業中、先生が時折見せる憂いを帯びた表情や、私にだけ見せてくれた優しい笑顔が、今は全て、恐ろしい仮面のように思えてきた。
そんな私を、碧がそっと支えてくれた。
「花蓮、大丈夫か?」
「碧くん...」
彼の声に顔を上げると、そこには心配そうな彼の顔があった。
いつだって、私のそばにいて、私を助けてくれる。
彼の優しさに、私は何度も救われてきた。
暁先生への憧れは、もう過去のものになってしまった。
でも、碧が私に見せてくれるまっすぐな優しさ、そして、この事件を通して見せた彼の聡明さ。
それらに、私は次第に心を惹かれていた。