推理×LOVE=?
そんな中、碧はあることに気づき始める。
被害に遭った生徒たちの持ち物が、特定の場所から、あるいは特定の時間帯に盗まれているのではないか、と。
「花蓮、君の化粧ポーチはいつなくなったんだ?」
「ええと、確か...今日の朝、授業が始まる前だったと思うよ。」
「授業が始まる前か...。そして、財布を盗まれたって言ってたのは、授業中だったな。」
「そうだったと思うけど。。」
碧は顎に手を当て、何かを考え込んでいるようだった。
彼の鋭い洞察力に、私はただただ感心するばかりだった。
このまま、真犯人を見つけ出してほしい。
そして、この不安な日々から解放されたい。
そう強く願った。
しかし、その願いが叶う前に、私は更なる危険に晒されることになる。
暁先生の、あの不可解な微笑みが、私の脳裏から離れなかったからだ。
その夜、私は眠れずにベッドの中で考えていた。
暁先生のあの言葉、あの表情。そして、碧の熱心な捜査。
一体、何が真実なのだろうか。
私の心は、暁先生への憧れと、碧への密かな期待への間で揺れ動いていた。
このまま、真相に気づかないまま、私は危険な状況に陥ってしまうのではないだろうか。
そんな不安が、静かに私を包み込んでいった。