この歪んだ愛、いっさい油断なりません。

12話 鈴音じゃなきゃ

結都目線で過去を振り返る。
結都(昔から、誰かの特別になりたかった――)


◯結都の過去回想
結都が幼いころ、母親が浮気して出ていった過去。
母親が家を出ていくところを引き留める幼い結都。
結都が生まれたときからずっと、母親は結都のことがいちばん大切でいちばん好きだと言っていた。
幼い結都『ママ、どこいっちゃうの? 僕も一緒に連れて行って』母親にすがって手を伸ばしてる感じ
結都の母親は何も言わずに結都の手を振り払った。幼いころの出来事だけれど、結都にとっては大好きだった母親に手を振り払われた記憶が鮮明に残っている。
自分は捨てられた、選ばれなかった、こんなに大好きなのに。
母親に捨てられた過去が自分の中に生まれる執着心をどんどん大きくしていった。
大好きだと思った相手、自分が手放したくない存在に対する執着は異常。
だけど、そんな存在を作るから、いつかくる別れのときに自分がつらくなるって自分の執着心に蓋をしてた。
ただ、誰かに求められる存在になりたい気持ちが強かった結都は今のマネージャーにスカウトされてモデルに。
けれど、結都が求めていたものとは違った。みんな画面の中、空想の自分に夢中になってるだけ。本当の自分を見抜いてくれる人、好きになってくれる人なんて誰もいない。
結都(いちばん好きって言葉が嫌い)自分を捨てた母親が言っていたことだから
結都(誰だって愛する人のいちばんになりたい、なれるときだってある。けどそれは永遠じゃない。きっと俺以外の魅力的な子を見つけたら、その存在はあっという間に変わる。
まあ、そんなものかって。何も執着することなんかないと思ってた。でも、鈴音のことだけは――)


◯屋上のシーンに戻る
鈴音が屋上に来る前、結都がひとりで屋上の空を見上げてる。
結都「鈴音がいないなら……死んだほうがマシ」独り言っぽくボソッとつぶやいてる感じ
結都(鈴音がはじめて俺を見つけてくれた日……その日も月がきれいな夜だった)
◯屋上で鈴音と出会った日の夜を振り返る回想シーン(1話の振り返り)
自分をモデルのユイだと知らずに接してくれた鈴音の存在が結都にとってはまぶしかった。
自分を大切にしてくれる人を大切にしたいという気持ちが鈴音と出会って目覚めた。
大切な存在は作りたくないと思ったけど、鈴音のいない未来は考えられない、隣にいるのは鈴音であってほしい。
結都「けどまさか妹になるなんてなー……」
◯妹として鈴音と再会したときの回想
鈴音と過ごしていくうちに、ますます鈴音に惹かれていく結都。妹としてなんか見れるわけない。
◯鈴音と過ごしてきた時間の回想
結都「俺だけだったのかなー……近づけたと思ったのは」
鈴音と心の距離が近づいた(鈴音も自分と同じ気持ちでいてくれてるかもしれない)と思っていた矢先、鈴音から避けられて距離を置かれたことの振り返り。
自分のそばから鈴音が離れたことで、どんどん落ちていくことを自覚している結都。仕事にも身が入らない、空っぽな状態。
結都(……ぜんぶどうだっていい。鈴音がいたから、俺は今の自分を保つことができていた)
母親に捨てられた過去と今の状況が重なる。
せっかくまた自分が心から好きだと思えた相手ができたのに……また自分から離れていってしまう。
大切な存在はいつも自分のそばから消えてしまう。
◯回想から現実に戻る
空を見上げてる状態からビルの下に目線を落とす結都。
結都「俺って誰に愛してもらえるんだろ……」あきらめながらつぶやくと、そのつぶやきをかき消すように屋上の扉が開く音が。
◯11話の続きに戻る
夜の屋上で鈴音と結都が見つめ合う。
鈴音「結都くん……!」
無我夢中で鈴音が結都に近づいて、結都の腕をつかむ。
鈴音「なんで、ひとりでいなくなっちゃうの。みんな結都くんのこと心配して……」
結都「……鈴音がいないならぜんぶどうだっていい」
鈴音がつかんだ結都の腕には力が入ってない。それに気づく鈴音。
結都「鈴音がいない世界なんて無理……生きてる意味ない」
結都をこんなふうにしてしまったのは自分だと気づいて、結都を守るはずの選択が結果的にいちばん傷つけたくない結都を傷つけていた。
隠すことで守るしかないと思っていた、これが最善だと思っていた。でも、こんなの誰も幸せにならない。
鈴音「わたしだって……結都くんがいなくなるなんて耐えられないよ」
結都のこれからの活動のことばかりを考えすぎて、結都の気持ちを考えることができなかった鈴音。
ほんとは結都への気持ちに蓋をして、気持ちを消すつもりだった。でも、好きって気持ちはどうあがいてもなくならない、理屈じゃない。
鈴音「好き……結都くんが大好きだよ……っ」
告白と同時に結都の頬にキスをする鈴音。
鈴音「自分勝手でごめんなさい……っ。いろいろ考えて、結都くんと離れるほうがいいと思ってた。でも、結都くんの気持ちを全然考えないまま冷たい態度取っちゃって――」
鈴音の言葉を遮るように結都が唇にキスする。
結都「……ほんとに俺のこと好き、なの」
鈴音「うん……好きすぎて苦しい、くらい」
結都「はぁ……やば愛しい……」
ここからふたりで少し話すことに。
結都を避けた理由。知り合い(葵とは言わない)に結都と一緒にいるところを動画に撮られたことを打ち明ける。動画は拡散しないように自分からお願いしてることも伝える。
芸能人はイメージが大事だから、これからもこういうことが起きて結都の活動を妨げるようなことはしたくない。だから、結都と距離をとることを選んだ。
でも、自分が結都を好きな気持ちは消せなかった、だから今こうして結都に気持ちを伝えたことを説明。
鈴音「結都くんを守りたかったのに、結果的に結都くんの気持ちを考えずに傷つけて本当にごめんなさい……」
結都「もう謝るのナシね。鈴音が気持ち伝えてくれたのがうれしいから」
鈴音の両頬を両手で包んで、ふたりの目線が合うような感じ、見つめ合ってる。結都は月明かりに照らされて魅惑的な表情、鈴音はそんな結都にドキドキして顔赤い。
結都「……俺もう手加減しないから覚悟して」


*場面転換


◯結都の部屋・夜
あれから家に帰ってきたふたり。両親やマネージャーにはきちんと謝罪。そのあと鈴音を自分の部屋に連れていく。
部屋の扉が閉じた瞬間、扉に身体を押さえつけられてキスされる鈴音。結都が鈴音を覆ってる感じで。部屋は真っ暗。
◯鈴音の告白の回想
鈴音『好き……結都くんが大好きだよ……っ』
結都(何度も頭の中をリピートしてる。俺を好きだって顔赤くしてるのも、緊張からか少し震えた声も、不安そうに揺れる潤んだ瞳も……あぁ、もう好きすぎて愛おしい。愛おしい以上の言葉が見つからない)
キスに必死についてくる鈴音を見て、たまらなく愛おしくて壊しそうになるのをグッと我慢してる結都。
結都(他の男になんか渡したくない)沸々湧き上がる感情、執着心。
結都「鈴音にこんなことできるのは俺だけ」
本気で鈴音のことが好きだから手放したくない、一生離さない……。
鈴音の意識が飛ぶまで鈴音を求め続ける結都。自分を好きだと言ってくれた鈴音が自分のものになったのがたまらなくうれしい。
ラストは意識を飛ばした鈴音が結都に抱きしめられてベッドで眠る。




< 12 / 12 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:16

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

表紙を見る
クールな綺堂くんの理性が夜だけ狂います。

総文字数/52,185

恋愛(キケン・ダーク)151ページ

表紙を見る
ありったけにキス。

総文字数/3,494

恋愛(学園)12ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop