初恋の距離。





彼の言葉は、私の心の奥底に隠していた想いを、優しく解き放ってくれた。




そうです、葵くん。私は、あなたのことが好きなんです。





 
 「...うん。」







 
 小さく頷いた私に、葵はさらに笑顔を深めた。







「そっか。じゃあ、放課後、ちょっとだけ話せる?」







「え?うん、いいよ。」










 
 文化祭の準備の合間、私たちは校舎の裏にある静かな場所にいた。





夕焼けが、私たちの影を長く伸ばしている。












 
 
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