クズなキミからの不適切な溺愛

第二章 クズなキミと交際開始

※※

週明けの月曜日、私はいつものように一番乗りで出社する。


案の定、和馬から何の連絡はなかった。

もう涙は出なかったが無性に怒りだけが込み上げたが、あんな男に腹を立てるのも時間が勿体ないと感じた私はひたすら料理の作り置きをしてストレスを発散し休日を過ごした。

(高梨さんとも普通にできるかな)

和馬は他部署なので毎日顔を合わすことはないが美蘭はそうじゃない。

「はぁあ……」

そして私はエレベーターに乗り込むと三階のボタンを押し、スマホを取り出す。

実は和馬に今日の昼休みに屋上に来て欲しいとLINEしたのだが、既読スルーだ。

(合鍵返してもらわないと)

顔を見るのも嫌だが、自分の家の鍵を渡したままは我慢ならない。


「ため息吐きすぎて老けそう……」

そう独り言を言いながら、私はスマホの画面をスライドさせて『吉良恩志』の名前を見つめた。

土曜日の午後に吉良くんは私の自宅まで送り届けてくれたのだが、それ以降は何の音沙汰もない。


(LINE交換して欲しいって言うから、てっきり連絡くるかと思ったけど……)

(吉良くんがよくわからない……)


強引に好きだの付き合ってくれだの言ってきた割に、塩対応されたことで私は全部夢だったのかもとさえ思ってくる。

「激動の週末だったな……」

(このまま会社でも普通で連絡こなかったら、遊びってことよね)


途端になんだかモヤモヤしてくるが、もうこれ以上、プライベートのあれこれに脳みそは使いたくない。

「切り替えよっと」

私はエレベーターを降りると、いつものように誰もいない事務所の扉をあける。

──と同時に私は目を見張った。
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