That's not such a big deal, is it?



 「そレまで探索デモしテおいテクダさい」

 「そゥだ、ご自身の部屋二入るとキハそのスマートフォンをドアにカザせば開キますかラ」


 この端末はカードキー代わりになるのか。

 無くし物をする人がいるかもしれないし、カードキー単体だと無くしかねない。

 かなり有り難い設計だな。


 「ミナサマの会話は常に聞カセてイタダいておりまㇲ。…まア、そウデすネ。夕食時、推理タイムデの盗聴はヤめておキマしょうヵ。代ヮりにカメラを付ケて監視しテイますネ」


 盗聴。その行為は犯罪に当たるし、今まさに自分たちは軟禁されていてそれも犯罪なのだが、言ったところで無駄。

 むしろ反感を買って死ぬ可能性すらある。

 どこまで盗聴されるんだろう。

 入浴のときもそうだろうか。


 「まあ、監視カメラがないだけマシってことかな」


 犬飼の言葉に同意すると、ゲームマスターはこう言った。


 「でㇵ、解散」


 なぜだか、いつも体育の授業終わりにやっているように「おー」と言って手を叩きたくなった。

 なんとかそれは行動に移す前に止まった。

 いつの間にか癖になっているんだな。

 だから、人狼ゲームがずっと続くならば。

 きっと、それに慣れてそれが当たり前だと思うようになる自分ができてしまうのだろう。


 これから何が起こるのだろう。

 どうせ、春風にとっては全部受け入れがたいことだろう。

 でもそれは全て現実でノンフィクションではない。

 夢であるという可能性も低そう。

 夢にしては自我がはっきりしすぎている。

 いや、今日はとりあえず忘れておくことにして、探索でもしようかな。

 ゲームマスターもそう言っていたし。



 __段々自分たち二年生の関係に溝が生じて、罅が入って割れてしまうことを春風はまだ知らなかった。

 知りたくなかった。

 こんなことを知るくらいなら、ずっと見せかけの仲を演じても良かったのに。


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