家族になった来栖くんと。




「お母さんも緋彩(ひいろ)のお嫁さんと一緒に暮らすの、とっても楽しみだわ~!」


「来月には両家の顔合わせを予定してるから、また詳しいことが決まったら教えるよ」


「母さん、新しいスーツをおろしておかないとだな」


「ええ、そうね」


「そんなカチッとしないでラフな服装でいいから。向こうの親御さんもそう言ってる」


「大事な日だもの。そういうわけにはいかないわよねえ~」



基本的に私はいつも、聞く側なので。

おしゃべりなお母さんとお父さんの会話を聞いて、うんうんってする相づち係。


ちゃんと聞いている人間がいてこそ会話は成り立つものだ。


だからってこればっかりは厳しい現状。

うんうん、にはならないよどうしたって……。



「そーいうことだからよろしくな、つぐ」



ようやく私に振られて、数秒間の沈黙。



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