家族になった来栖くんと。




「…ずっと、一緒にいる」


「く、るす、くん…?」


「って…約束。覚えてる?」



なんて顔をしているの。

切なさや胸の痛みを通り越して、目の前の存在が愛しくて愛しくてたまらないって顔。


この人は私の頬を触るのが好きなんだ。


つよく触れたら消えてしまう幻を前にしているみたいに、そんな触れ方をいつもしてくる。



「…覚えてるよ」


「俺…、それだけは守れる」


「え…?」


「親族になった。…家族に、なった。だから……ずっと一緒には、いる」



ズキッと、心臓が分かりやすいほど形を変えた。

その約束は、あの日の私たちはこの形を望んでいたわけじゃないと、私たちが誰よりも知っているからだ。


親族になりたかったわけじゃない。

そういう“家族”に、なりたかったわけじゃない。



「なんかすげー苦しいけど。でも、ずっと離れることはないんだって思ったら……強ぇじゃん」


「……うん」



笑えてるかな、私。

そうだね、強いね。
約束を守ってくれてありがとう。

って、上手に笑えてる……?



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