氷の王子と消えた託宣 -龍の託宣2-
「んな与太話、誰が信じるかよっ!」
そう言って、ごろつきのひとりがカイにいきなり殴りかかった。少女が小さく悲鳴を上げる。
「そこは素直に信じとこうよ」
カイはその拳を難なく避けて、つかんだ男の腕を後ろにねじり上げた。ごりッと嫌な音がする。肩を押さえて絶叫する男の背を押して、道端の人の邪魔にならない方へと転がした。
「貴様ぁ!」
仲間の男がいきり立って殴りに来る。その男の懐に素早く入ると、カイは肝臓を突き上げるように拳を腹に叩きつけた。泡を吹いた男がもんどりうって倒れる前に、いまだ少女の腕を拘束していた男の背後に回って、その首筋に短剣をひたりと押し当てる。
「ねえ、おじさん。オレが本気になる前に、その手、離してくれないかなぁ?」
抜き身の刃をわずかに強く押しつけ、耳元で冷たく囁く。一瞬で形勢不利となった男は、背後のカイにおののきながら、少女の腕を掴む手をぱっと離した。それを見届けると、カイは男の首筋にトンと手刀をあびせ、あっけなくその場に昏倒させる。
「はじめっからそうしてれば痛い目見ないで済んだのに」
短剣を鞘にしまってやれやれといったふうにカイが肩をすくめると、すぐ近くで一部始終を見ていた小さな男の子が感嘆の声を上げた。
「お兄ちゃん、すごい……!」
目がキラキラと輝いている。憧れのヒーローに出会った少年の目だ。カイはその少年の前で片膝をつくと、その頭にポンと手を置いた。
そう言って、ごろつきのひとりがカイにいきなり殴りかかった。少女が小さく悲鳴を上げる。
「そこは素直に信じとこうよ」
カイはその拳を難なく避けて、つかんだ男の腕を後ろにねじり上げた。ごりッと嫌な音がする。肩を押さえて絶叫する男の背を押して、道端の人の邪魔にならない方へと転がした。
「貴様ぁ!」
仲間の男がいきり立って殴りに来る。その男の懐に素早く入ると、カイは肝臓を突き上げるように拳を腹に叩きつけた。泡を吹いた男がもんどりうって倒れる前に、いまだ少女の腕を拘束していた男の背後に回って、その首筋に短剣をひたりと押し当てる。
「ねえ、おじさん。オレが本気になる前に、その手、離してくれないかなぁ?」
抜き身の刃をわずかに強く押しつけ、耳元で冷たく囁く。一瞬で形勢不利となった男は、背後のカイにおののきながら、少女の腕を掴む手をぱっと離した。それを見届けると、カイは男の首筋にトンと手刀をあびせ、あっけなくその場に昏倒させる。
「はじめっからそうしてれば痛い目見ないで済んだのに」
短剣を鞘にしまってやれやれといったふうにカイが肩をすくめると、すぐ近くで一部始終を見ていた小さな男の子が感嘆の声を上げた。
「お兄ちゃん、すごい……!」
目がキラキラと輝いている。憧れのヒーローに出会った少年の目だ。カイはその少年の前で片膝をつくと、その頭にポンと手を置いた。