貴女だけが、私を愚かな男にした 〜硬派な彼の秘めた熱情〜
通告
スマホの通知をこっそり見て、詩乃は溜め息をついた。
旅行から帰って以来、明人からの連絡はない。
といっても、一日二日開いただけなのだが。
職場で、仕事中にスマホを見るなんて、やむを得ない用事のとき以外は初めてのことだ。
もっともこの職場では、ほんの少しくらいの小休憩はみんな取っていたが。
詩乃は、上手く働かない頭のまま、パソコンの画面を見つめた。
いつものルーティン作業に取り掛かるが、進みは悪い。
もうすぐ年度末で、普段はやらない経理事務も回ってきているというのに。
なんだか、ぼーっとしてしまう。
明人くん、連絡くれないのかな……。
普段は気にしたこともないようなことが、今日は妙に気になってしまう。
もしかしたら、明人が自分たちの関係を精算しようとしているのかも。