ここまでコケにされたのだから、そろそろ反撃しても許されますわよね?
ポールが唯一やっている仕事は、アンドレアが時間をかけて仕上げた書類に最終サインをすることだけだ。
ただ名前を書くだけで、領地のすべてのことが万事滞りなく執り行われていく。これなら子供にも領地経営ができるだろう。
アンドレアがもたらした功績は、表向き全部が全部ポールひとりのものとなっている。
(これはもう今さらね)
嫁いでからずっとこうなので、いい気になっているポールの横でアンドレアはおとなしく話を聞くにとどめた。
話の輪に次から次へと貴族たちが加わっていく。どの貴族もポールに媚びへつらう者たちばかりだ。
それもそのはず、ポールは国王の孫で王位継承権を持っている。
しかも順位が第二位とくれば、今のうちに取り入っておこうと考えるのも無理のないことだった。
「いやしかし、本当にご立派になられて。ご尊父が急逝されたときは本当に心配いたしました」
「十八で家督をお継ぎなられたんですものね」
「それがたった数年で、ここまでシュナイダー家を繁栄させるだなんて」
「まったく、常人にできることではありませんな」
「あとはお世継ぎだけですわね。ねぇ、アンドレア様」
いきなり話を振られ、アンドレアは曖昧な笑みを返した。
この手の話題はよく出されるが、アンドレアばかりの責任のように言われるのが毎度のことだ。
「あまりアンドレアを責めないでくれないか。こればかりは天に任せるしかないからな」
「まぁ、ポール様、なんておやさしい!」
「ほんと、アンドレア様がうらやましいですわ!」
庇うようにポールがアンドレアを引き寄せると、皆が称賛の声を上げだした。
(なんて白々しいのかしら)
何しろ結婚してからこの三年間、アンドレアは一度もポールと寝所を共にしたことがなかった。
いわゆる白い結婚と呼ばれるものだ。
こんな状態では、いくら待ったとしても子供などできるはずもない。
「あ、ポール様ぁ」
ごてごてに着飾ったライラがはしたなく駆け寄ってくる。
面倒ごとになりそうで、アンドレアは内心大きく身構えた。
ただ名前を書くだけで、領地のすべてのことが万事滞りなく執り行われていく。これなら子供にも領地経営ができるだろう。
アンドレアがもたらした功績は、表向き全部が全部ポールひとりのものとなっている。
(これはもう今さらね)
嫁いでからずっとこうなので、いい気になっているポールの横でアンドレアはおとなしく話を聞くにとどめた。
話の輪に次から次へと貴族たちが加わっていく。どの貴族もポールに媚びへつらう者たちばかりだ。
それもそのはず、ポールは国王の孫で王位継承権を持っている。
しかも順位が第二位とくれば、今のうちに取り入っておこうと考えるのも無理のないことだった。
「いやしかし、本当にご立派になられて。ご尊父が急逝されたときは本当に心配いたしました」
「十八で家督をお継ぎなられたんですものね」
「それがたった数年で、ここまでシュナイダー家を繁栄させるだなんて」
「まったく、常人にできることではありませんな」
「あとはお世継ぎだけですわね。ねぇ、アンドレア様」
いきなり話を振られ、アンドレアは曖昧な笑みを返した。
この手の話題はよく出されるが、アンドレアばかりの責任のように言われるのが毎度のことだ。
「あまりアンドレアを責めないでくれないか。こればかりは天に任せるしかないからな」
「まぁ、ポール様、なんておやさしい!」
「ほんと、アンドレア様がうらやましいですわ!」
庇うようにポールがアンドレアを引き寄せると、皆が称賛の声を上げだした。
(なんて白々しいのかしら)
何しろ結婚してからこの三年間、アンドレアは一度もポールと寝所を共にしたことがなかった。
いわゆる白い結婚と呼ばれるものだ。
こんな状態では、いくら待ったとしても子供などできるはずもない。
「あ、ポール様ぁ」
ごてごてに着飾ったライラがはしたなく駆け寄ってくる。
面倒ごとになりそうで、アンドレアは内心大きく身構えた。