逃亡した帝国の公女は2人の王子に溺愛される。

40.エレノアにさえ想われていれば、他の方の気持ちは必要ありません。

「フィリップ王子殿下、もう降ろして頂いても大丈夫ですよ」
馬車まで行くとレイモンドにお姫様抱っこをしているところを見られきっと面倒なことになる。

そう思って、王子殿下に私を降ろして欲しいと伝えたが微笑み返されるだけだった。
婚約者の弟である彼にお姫様抱っこされているのを、他の生徒に見られたらスキャンダルにならないだろうか。

もしかして先程も私が婚約破棄できるように取り計らってくれるとおっしゃっていた。
自分とのスキャンダルを起こして婚約破棄まで持っていってくれようとしているのかもしれない。
しかし、そんな事をすれば傷一つないフィリップ王子殿下の評判に関わるに決まっている。

「エレノア、要職試験の勉強でわからないことがあればいつでも僕に言ってくださいね」

フィリップ王子殿下の首にしがみつきながら思った。

彼はなんと余裕のある優雅な王子様なのだろう、王族の地位にしがみつく事なくいつも周りが見えている。
品行方正で成績優秀な彼なら、帝国の要職試験に受かり帝国の爵位を授かるだろう。

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