逃亡した帝国の公女は2人の王子に溺愛される。
レイモンドが驚いたような顔で私を見ている。
彼の自分の感情に正直すぎる驚いた顔を見るのを楽しみにしていた。

「遠いところから、わざわざ私の為にいらっしゃって頂きありがとうございました。アーデン侯爵令嬢が歳月にご結婚されるということでおめでとうございます。諸事情でお伺いできないことをお許しください。アーデン侯爵令嬢に12年前私を誘拐してくれたことのお礼を言いたいです。落ち着いたら必ず改めてお礼に伺わせていただければと思います」

私は衝動的にレイモンドに口づけをしてしまったが、まずはアーデン侯爵夫妻にお礼を言うのが先だったと思い彼らの方に向き直した。

薬を作ってくれた男の子にもお礼を言いたいし、アラン皇帝陛下にもお礼を言ったほうが良いだろう。
おそらく彼ほど優秀な人ならばカルマン公爵家の特徴に気が付きあそこを刑務所にし、司法取引をすることで獄中出産する妊婦に協力を依頼したはずだ。

国がばたついている時でエレナ・アーデン皇后の誕生の瞬間にお祝いに伺えないから、遠くから彼女の幸せを祈ろうと思った。

遠くから来てくれた2人をお見送りすると、レイモンドが突然誘拐犯のように私を抱き上げてきた。
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