逃亡した帝国の公女は2人の王子に溺愛される。

19.可愛いですね、芋に見えません。

「時間がないので、あそこで話しませんか?」
ダンテ補佐官がガーデンテラスを指し示したのでそちらに移動する。

ここまで彼はレイモンドに気が付きながらも全く挨拶をしようとしない。
彼が王太子だと言うことは、止まっている馬車や王家の紋章を見ればわかるはずだ。

これは数年後にはレイモンドを平民として扱うつもりで、自分が礼を尽くさなければならない相手ではないと言いたいのだろう。

レイモンドも王太子としてのプライドがあるからか、自分から挨拶をしようとしない。
彼は私達についてきて、私の隣の席に座り念の為か騎士をさがらせ人払いをしていた。

ダンテ補佐官が私の正体に言及したから、聞かれてはまずい話をするのではないかと警戒したのだろう。

「エレノア様、可愛いですね、芋に見えません。先程アツ国を帝国領にしてきたところで、サム国出身の絶世の美女のお姫様に会って来たのですが芋にしか見えませんでした」

ダンテ補佐官の喋りは軽快で不思議な感じがした。
彼は帝国の敵国だったエスパルの出身で、帝国の外交を任されているのだから相当キレて気の抜けない相手に違いない。

彼には確実に魅了の力が掛からないと確信できた。

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