逃亡した帝国の公女は2人の王子に溺愛される。

28.どうして、そうなるんだエレノア!(ハンス視点)

「エレノア、13歳のお誕生日おめでとう」
俺はいつものように紫陽花の花束をエレノアに渡した。

彼女の心の負担にならないプレゼントはこれしか思いつかない。
「ありがとう、ハンス」
エレノアが幸せそうな笑顔で花束を受け取る。

俺は彼女の隣にいるレイモンド王太子殿下を思わず睨みつけてしまった。
彼は本当にリード公爵家にしたことに、何の罪の意識もないようだ。

俺の存在を意識することなく、エレノアを愛おしそうに眺めている。
姉上は公爵家を出て、帝国のアツ領に移住した。

それは、全て彼が気まぐれに姉上に手を出したせいだ。
姉上は女公爵になる為に必死で勉強し、彼に手を出された後は王妃になることを夢見た。

婚約者指名されず八方塞がりになると、妹のように可愛がっていたエレノアを殺害しようとまで追い詰められた。
自分が衝動的にしてしまったことに、ショックを受け食事も喉の通らない日々を過ごしていた。

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