可愛い後輩くんは、スポーツ系御曹司でした ~秘密のギャップで溺愛されています~
第6話:告白
翌日、私はいつも通り出社した。
お弁当だって作っていった。
でも、無理しているのが自分でもわかる。
結局、一晩たってもまだ気持ちが絡まった毛糸のようにほどけない。
蓮見くんも何か感じ取っていたのだろう。
必要以上に話しかけてくることはなかった。
「田中! 久しぶりだな!」
フロアに響く大声に、私は顔を上げた。
「赤木部長……!」
十歳年上の赤木は統括部長をしており、最近はずっと本社に出向していた。
「ようやく落ち着いたから戻ってきたんだ。今日、飲みに行こう!」
「え……」
私は表情が曇るをの止められなかった。
赤木部長はとにかく飲むのが好きで、誰彼構わず誘ってくる。
酒癖が悪く、説教好きなので、私はなるべく近づかないようにしていた。
「すいません、今日はちょっと予定がありまして……」
「おまえ、カフェの新店の企画を任されているんだろう?」
「はい」
「本社でも話題になっていてな。その話もしたい」
「……」
断りづらい話題を出してきた。
絶対に飲みに行く、という意志を感じる。
赤木は元甲子園球児で、ノリが体育会系そのものだ。
なまじ運動部出身の社員ばかりなので受け入れられているところがある。
どう対処したものかと頭を悩ませていると、向かいの席の蓮見くんが立ち上がった。
「あの、よかったら僕も連れていってくれませんか?」
「ん? 誰だ?」
「企画部の蓮見です。田中先輩の下について勉強させてもらっています」
「ほう! いい心がけだ。よし、三人で行こう! いいな、田中?」
「はい」
私はちょっとホッとした。
二人きりの飲みは避けたかったが、あまり頑なに断ると角が立つ。
蓮見くんの助け船に救われた。
「ありがとう」
すれ違いざま、こそっと囁く。
「いえ」
蓮見くんは軽く頭を下げた。
お弁当だって作っていった。
でも、無理しているのが自分でもわかる。
結局、一晩たってもまだ気持ちが絡まった毛糸のようにほどけない。
蓮見くんも何か感じ取っていたのだろう。
必要以上に話しかけてくることはなかった。
「田中! 久しぶりだな!」
フロアに響く大声に、私は顔を上げた。
「赤木部長……!」
十歳年上の赤木は統括部長をしており、最近はずっと本社に出向していた。
「ようやく落ち着いたから戻ってきたんだ。今日、飲みに行こう!」
「え……」
私は表情が曇るをの止められなかった。
赤木部長はとにかく飲むのが好きで、誰彼構わず誘ってくる。
酒癖が悪く、説教好きなので、私はなるべく近づかないようにしていた。
「すいません、今日はちょっと予定がありまして……」
「おまえ、カフェの新店の企画を任されているんだろう?」
「はい」
「本社でも話題になっていてな。その話もしたい」
「……」
断りづらい話題を出してきた。
絶対に飲みに行く、という意志を感じる。
赤木は元甲子園球児で、ノリが体育会系そのものだ。
なまじ運動部出身の社員ばかりなので受け入れられているところがある。
どう対処したものかと頭を悩ませていると、向かいの席の蓮見くんが立ち上がった。
「あの、よかったら僕も連れていってくれませんか?」
「ん? 誰だ?」
「企画部の蓮見です。田中先輩の下について勉強させてもらっています」
「ほう! いい心がけだ。よし、三人で行こう! いいな、田中?」
「はい」
私はちょっとホッとした。
二人きりの飲みは避けたかったが、あまり頑なに断ると角が立つ。
蓮見くんの助け船に救われた。
「ありがとう」
すれ違いざま、こそっと囁く。
「いえ」
蓮見くんは軽く頭を下げた。