Moon Venus
部屋にいるクローディアたちは、メリザがバスルームに戻るのを見て、何事かと
追いかけそうになったが、何せシオンとメリザがいるのはバスルーム


「イリア、フラン様子を見てこい」


二人はバスルームに入るや否や、メリザに背中を擦られているシオンが、後ろ姿
を見る限りグッタリとしていた


「メリザ!どうかしたの?」

「あっ!イリア様にフラン様っ!」

二人に目を向けたメリザだが

「誰か……来たの?」

「第二、第三部隊の騎士団長のイリア様とフラン様です」

ゆっくりと振り返ると、そこには、可愛い女の人が二人

明るい茶色のフワフワしたショートヘアのイリアと

金色の髪をしたロングヘアのフラン


「こんな姿で、ごめんなさい。メリザ、もう平気。軽い貧血だったのかも…」


ゆっくりと立ち上がるシオンをメリザが支えた


視線を上げたシオンを見て二人は同じことを思った


茶色……



咄嗟に目を手で覆ったシオンに

「目……どうかなさいましたか?」

イリアが尋ねた


「え?」

と手を退かして二人を見る

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