嘘つきなあなたに、もう一度恋をしますか?~冷たい仮面の下の真実~
第12章 夫の秘密
深夜のオフィス。
高層ビルの最上階にある社長室は、煌々とした灯りに照らされていた。
怜司は机に広げた資料に目を走らせ、静かにペンを置いた。
「……これで、神宮寺側の動きは封じられるはずだ」
彼が目を通していたのは、西園寺グループと鳳条グループとの新たな協定案だった。
神宮寺家が裏から仕掛けてくるのを見越して、密かに動いていたのだ。
「怜司さま、ここまでして……」
秘書の結城が控えめに声をかける。
「奥さまにお伝えにならないのですか?」
怜司は椅子にもたれ、しばらく黙っていた。
やがて、低い声で答える。
「紗良を巻き込みたくない。俺が敵と渡り合っていることを知れば、きっと彼女は不安になる」
「しかし、誤解は深まるばかりです」
「分かっている……だが、今は耐えるしかない」
怜司の拳が机の上で固く握られる。
「彼女を守るためなら、どれだけ憎まれても構わない」
その頃、邸宅。
ベッドの上で紗良は眠れぬ夜を過ごしていた。
怜司が遅くまで帰らないことは、もう当たり前になってしまった。
「……どこで、何をしているの」
声に出せば出すほど、疑念が増していく。
(また玲奈さんと……?)
思いたくないのに、胸の奥で黒い影が囁く。
オフィスの窓から夜景を見下ろしながら、怜司は心の奥でただ一人の妻を思い続けていた。
(必ず守る。たとえ誤解されても……紗良、お前を失うわけにはいかない)
けれどその祈りは、まだ彼女には届かない。
二人を隔てる壁は、ますます厚く高く築かれていった。
高層ビルの最上階にある社長室は、煌々とした灯りに照らされていた。
怜司は机に広げた資料に目を走らせ、静かにペンを置いた。
「……これで、神宮寺側の動きは封じられるはずだ」
彼が目を通していたのは、西園寺グループと鳳条グループとの新たな協定案だった。
神宮寺家が裏から仕掛けてくるのを見越して、密かに動いていたのだ。
「怜司さま、ここまでして……」
秘書の結城が控えめに声をかける。
「奥さまにお伝えにならないのですか?」
怜司は椅子にもたれ、しばらく黙っていた。
やがて、低い声で答える。
「紗良を巻き込みたくない。俺が敵と渡り合っていることを知れば、きっと彼女は不安になる」
「しかし、誤解は深まるばかりです」
「分かっている……だが、今は耐えるしかない」
怜司の拳が机の上で固く握られる。
「彼女を守るためなら、どれだけ憎まれても構わない」
その頃、邸宅。
ベッドの上で紗良は眠れぬ夜を過ごしていた。
怜司が遅くまで帰らないことは、もう当たり前になってしまった。
「……どこで、何をしているの」
声に出せば出すほど、疑念が増していく。
(また玲奈さんと……?)
思いたくないのに、胸の奥で黒い影が囁く。
オフィスの窓から夜景を見下ろしながら、怜司は心の奥でただ一人の妻を思い続けていた。
(必ず守る。たとえ誤解されても……紗良、お前を失うわけにはいかない)
けれどその祈りは、まだ彼女には届かない。
二人を隔てる壁は、ますます厚く高く築かれていった。