嘘つきなあなたに、もう一度恋をしますか?~冷たい仮面の下の真実~

第20章 新たな始まり

神宮寺家の不正が白日の下に晒され、世間を騒がせた嵐はようやく収束を迎えた。
鳳条グループは信頼を取り戻し、怜司の立場も揺るぎないものとなった。

その功績の陰に紗良の行動があったことは、限られた人々だけが知る真実だった。



夜、邸宅のバルコニー。
満天の星空の下、怜司と紗良は並んで立っていた。
冷たい風が頬を撫でるが、その距離は以前よりも近い。

「……迷惑をかけたな」
怜司が不器用に言葉を落とす。
「いいえ。私の方こそ……信じられなくて、ごめんなさい」

紗良の瞳が揺れる。
怜司は静かに彼女の肩を抱き寄せた。

「俺はもう二度と、お前を遠ざけない。たとえどんな敵が現れようと、紗良と一緒に乗り越える」

「……怜司さん」

紗良の胸に熱い涙が溢れた。



怜司はその涙を指で拭い、真っ直ぐに見つめる。
「冷たい仮面なんて、もう要らない。俺のすべてを知ってほしい」

「ええ……私も、あなたを信じて生きていきます」

二人の唇が静かに触れ合い、重なった。
疑念に覆われた日々も、孤独に震えた夜も、すべてが今、この瞬間に溶けていく。



「紗良」
「はい」
「愛している」

短く、それでいて何よりも強い言葉。
紗良は微笑み、震える声で応えた。

「私も……愛しています」



こうして、偽りに縛られた日々は終わりを告げた。
互いを信じ合う真実の愛が、二人を新たな未来へと導いていく。

――もう一度、恋をした相手は、最初からただひとり。
冷たい仮面の下に隠された、真実の愛の人だった。



夜空に輝く星々の下、二人は肩を寄せ合い、確かな一歩を踏み出していった。
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