Semisweet.
 事実確認の為にレストラン部門のスタッフに話を聞きに行くと、そこの配列をしたのが新人女性スタッフだったことが確認取れ、何とも言えない気持ちになった。

 聞いた時はレストラン部門の上の者が何故チェックしなかったのか、新人も資料をきちんと確認して気を付けていなかったのか、など問いたい事も、言いたい事もあったが、そもそも私が確認しなかったのが、悪いのもあって自己嫌悪に陥る。

 今は塞ぎ込んでいる暇もなく、新人の子に声を掛けた。


「西城さん?」


 その子のフォローに入る為、話し掛けると大きな目でこちらを見て、ミスをしてしまった自覚はある様で、何を言われるのかと身構えている。

 新人女性社員は西城(さいじょう) 百花(ももか)さん。

 長い茶髪を結んでまとめていて、いかにも男性にモテるであろうという見た目だ。

 
「ごめんね。私が確認出来てなくて。次からは、もし担当した仕事に心配や不安があったら他の先輩達でも良いから呼んでほしいな。」

「…先輩達、忙しそうに走り回っていたので…。」


 一言すみません、や、気を付けますで終わる話だったと思うのだけど、言い訳を先に口にされてしまうと何とも言えなくなる。

 上が忙しそうで声を掛けにくい気持ちは私にも経験があるけれど、仕事上そんなのはいいわけにもならない。

 むしろ新人は声を掛けない方がミスに繋がるから、ミスをしないためのことを優先させてほしいのだが、彼女に理解してもらえそうな様子は無い。


「うん、でもミスしない事の方が大事だから。実際今回の事は大事だから、西城さんも一緒に注意して見てほしいな。」


 出来るだけ傷付けない様に優しく言葉にしたつもりだったけど、西城さんはその言葉にうんともすんとも言わない。

 それどころか泣き出してしまって、その場から動けなくなる。

 私が新人の時もこんなに繊細だったかななんてもはや考え出してしまって、そこに「どした?」と瑞野の声が聞こえてきた。

 完全に新人を泣かせた私の構図が出来ていて、実際それも事実なのでバツが悪くて目を逸らす。
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