Semisweet.
 私の隣に立って泣いている西城さんと気まずそうな私の態度を見て、瑞野が私の腕を引く。


「後で話聞くから。先行きな。先生方の対応も残ってんだろ。」

「…うん、ごめん。」


 ここはお言葉に甘えて、瑞野と西城さんを残してその場から離れた。

 そりゃ、泣いている子か気に食わない顔をした女であれば、弱々しい女性を守りたくなるに決まっている。

 そんな事分かっていたから瑞野がその場に残ったのも自然だと思った。

 私は上手く行かないやりとりを引き摺ったまま、そのまま対応に戻った。

 幸いその生徒のアレルギー反応が大きなものにならず、かゆみ止めや薬を貰って何とか落ち着いたのだけど、支配人との話し合いや対応について色々話していると時刻はかなり遅い時間になっていた。

 修学旅行生の対応が多かった事もあって、かなり疲れがたまっていたのかもしれない。

 疲労感でいっぱいの中オフィスに戻ってくると、とっくに定時を超えたはずの瑞野が残っていた。


「…お疲れ。今日は、ありがとうね。」

「お疲れ、大変だったじゃん。」

「まだ残ってたんだ。仕事溜まってた?」


 そう言いながらいつも通り隣の席に着くと「菜穂の事待ってた」と言われて、先程の話だとすぐに理解する。


「あー、フォローありがとうね。そもそも私が確認しなかったのが悪いのに、何か言うなんて間違ってた。」

「そうじゃないだろ。新人だからって確認が無かったからミスしていいにはならねぇよ。」

「それはそうだけど、まだこれからなのに。余裕なかったから。」


 そう言って笑うと、明日の行程表の確認だけして帰宅の準備を始める。
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