双子の悪女の身代わり〜実は私が創世の聖女です〜
22.今晩お待ちしておりますね。
私は、独裁国家エウレパに密書にバルトネの内部事情と、隠し通路の位置、城内の構造を送った。
そして、エウレパ国王に自分を救い出して欲しいと伝えた。
独裁国家エウレパはシャリレーン王国のように閉鎖された国だ。
それゆえ、パレーシア帝国との国交もない。
しかし、かなり強い騎士団を持っているという噂を聞いていた。
私はクリス皇子殿下に会うのが怖かった。
バルトネ王国にいては、また彼に献上されてしまう。
彼を思い出すだけで、口に幼虫を突っ込まれたような感触を思い出して吐き気が止まらなかった。
バルトネ王国は王家が急速に求心力を失っていた。
側室が全員死亡するという異例の事態に混乱していたのに、国王は新たな側室をすぐに迎え入れた。
ナレイラの素性はすぐに露見し、そんな彼女を側室とし寵愛する陛下に批判が集まった。
要職についていた貴族たちは次々と引退した。
バルトネ王国が混乱し傾いたところに、お迎えが来た。
私の次の嫁ぎ先になるエウレパ王国だ。
クリス皇子から逃げたくて、エウレパ王国を安易に選んだことを後悔した。
「噂以上の美しさだ⋯⋯アリアドネ⋯⋯聖女のそなたが余に永遠の命を与えてくれ」
舐め回すように見つめてくるエウレパ国王は、私の体も神聖力も求めているようだった。しかも、聖女が万能な存在だと勘違いしている。
そして、エウレパ国王に自分を救い出して欲しいと伝えた。
独裁国家エウレパはシャリレーン王国のように閉鎖された国だ。
それゆえ、パレーシア帝国との国交もない。
しかし、かなり強い騎士団を持っているという噂を聞いていた。
私はクリス皇子殿下に会うのが怖かった。
バルトネ王国にいては、また彼に献上されてしまう。
彼を思い出すだけで、口に幼虫を突っ込まれたような感触を思い出して吐き気が止まらなかった。
バルトネ王国は王家が急速に求心力を失っていた。
側室が全員死亡するという異例の事態に混乱していたのに、国王は新たな側室をすぐに迎え入れた。
ナレイラの素性はすぐに露見し、そんな彼女を側室とし寵愛する陛下に批判が集まった。
要職についていた貴族たちは次々と引退した。
バルトネ王国が混乱し傾いたところに、お迎えが来た。
私の次の嫁ぎ先になるエウレパ王国だ。
クリス皇子から逃げたくて、エウレパ王国を安易に選んだことを後悔した。
「噂以上の美しさだ⋯⋯アリアドネ⋯⋯聖女のそなたが余に永遠の命を与えてくれ」
舐め回すように見つめてくるエウレパ国王は、私の体も神聖力も求めているようだった。しかも、聖女が万能な存在だと勘違いしている。