最強で、最孤
個人戦・開幕
目が覚めたとき、外は朝日に照らされていた。

時計を見ると、朝の5時。

昨日の疲れが残っているはずなのに、身体は不思議と軽い。

瑠那はベッドから起き上がり、外を見つめた。

(今日が、本当の勝負)

団体戦が終わった今、もう誰かと肩を並べて戦うことはない。

今日からは、完全に「個人」だ。

でも——

(昨日の私だったら、こんな気持にはならなかったかも)

思い出す。

悔しそうに涙ぐむ加藤の顔。

拳を握ったまま何も言えない大島、三宅、佐伯。

(私は.....チームに支えられてたんだ)

自分はずっと孤独だと思っていた。

けれど本当は、誰よりも支えられていたのかもしれない。
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