SWAN航空幸せ行きスピンオフ!〜雷のち晴れ〜
こつりと額を合わせる。理人がいたずらっ子のような表情をむけてきた。
「知ってる? キスのしやすい身長差」
「……前に聞いたような……」
確か、一番最初のデートのときだったろうか。
「そう。十五センチ差だそうだ、ちょうど俺達の身長差」
理人が愛おしそうな顔になった。
「希空が一七〇センチあってよかった」
目を見開いた。この身長でいいことなど、なにもなかったのに。彼の一言でぱあっとコンプレックスが消えていく。
「俺のために、希空はひとりでいてくれたんだよ」
「理人さん……」
好き。
どうしてこんな人がいるのだろう。そして、彼が自分の大好きな人でよかったと、何度目かに思った。
慈しみの表情から一変して、理人は双眸に昏い欲情を揺らめかせる。
「もう手放せない」
理人の手が背中を撫で、ヒップをいやらしく揉み込んできた。
「希空を愛している。君が俺から離れたいと言っても別れてやれない」
「り、ひとさん」
自分が離れようとしたことは理人のトラウマになったのかもしれない。だとしたら、一生かけて「愛している」と言い続ける。
「どんなことがあっても、これからは絶対に離れない」
希空は理人の瞳を見つめながらしっかりと伝える。
「そう?」
妖しいまでの色気を放ってきた夫に、心もそうだが体も反応する。
泡で滑ったのか、脚のあわいに理人の指が忍び込んできた。
「っ」
「濡れてる」
指摘に恥ずかしくなって顔を理人の胸に埋めた。
「……だって」
言い訳が媚びているような口調になる。
「あなたのこと、ほしかったんだもの」
恥ずかしさを堪えて、小さく呟く。ぎゅ、と目を瞑った。
「……理人さん?」
夫からのリアクションがないのに心配になった希空が目をうっすらと開くと、理人がシャワーノズルを握ったところだった。
「洗剤は粘膜によくないから」
ぐい、と脚を掴まれると、高々とあげさせられた。シャワーを秘所にあてられる。
「ぁあっ」
敏感な場所を刺激されて達してしまう。
「今日から装着けない」
理人は宣言すると、分身を希空のナカに埋めた。
***
二人はバスルームで愛し合ったのち、ベッドルームへ戻ってきた。
ぬくぬくと、互いの腕の中に収まる。
「今日、大変だった」
ぽつりと理人がこぼす。
「うん」
雷が機体に落ちることが、ないわけではない。当たれば、どうなるかわからないまま、搭乗客を乗せて雷雲を飛ぶ。揺れるし、エアポケットに落ちるだろう。搭乗客のパニックはどれくらいか、想像もつかない。
「前に言ってたよね。目的地を前にして引き換えすこともあるって」
『誰も、俺も望んでいない』と。
「ああ」
今回も引き返しかけていたのだ。
理人が、強い瞳で希空と視線を合わせてきた。
「だが『なんとしてでも希空のもとに帰るんだ』って決めていた」
「理人さん……」
希空は夫の裸の胸に寄り添う。
「マーシャルのライトを見た時、『いつもより高い位置だな』と思った」
ぴくりと反応してしまう。理人が心と体をほぐしてくれたとは燁、身長と胸の話題は希空にとって鬼門だ。
「『ああ、希空だ』と思った途端、ピリピリしていたものが抜けたんだ」
嬉しそうな声に希空の体からも力が抜ける。
「俺は以前、『君の光でありたい』と告げたけど」
「うん」
そのとおりだ。彼は迷っている希空の光そのもの。
「希空を見た瞬間、『俺の光はここにある』と思った」
理人さんも、そう思ってくれていたんだ。
嬉しくて涙が出る。
「希空、愛している」
「私も……」
二人の唇が再び出会う。そして理人は希空に覆い被さった。
「明日の朝、早いんだけどな」
理人が楽しそうにいう。
「お手柔らかに……」
希空ははにかんで夫の耳元にささやいた。
FIN。
「知ってる? キスのしやすい身長差」
「……前に聞いたような……」
確か、一番最初のデートのときだったろうか。
「そう。十五センチ差だそうだ、ちょうど俺達の身長差」
理人が愛おしそうな顔になった。
「希空が一七〇センチあってよかった」
目を見開いた。この身長でいいことなど、なにもなかったのに。彼の一言でぱあっとコンプレックスが消えていく。
「俺のために、希空はひとりでいてくれたんだよ」
「理人さん……」
好き。
どうしてこんな人がいるのだろう。そして、彼が自分の大好きな人でよかったと、何度目かに思った。
慈しみの表情から一変して、理人は双眸に昏い欲情を揺らめかせる。
「もう手放せない」
理人の手が背中を撫で、ヒップをいやらしく揉み込んできた。
「希空を愛している。君が俺から離れたいと言っても別れてやれない」
「り、ひとさん」
自分が離れようとしたことは理人のトラウマになったのかもしれない。だとしたら、一生かけて「愛している」と言い続ける。
「どんなことがあっても、これからは絶対に離れない」
希空は理人の瞳を見つめながらしっかりと伝える。
「そう?」
妖しいまでの色気を放ってきた夫に、心もそうだが体も反応する。
泡で滑ったのか、脚のあわいに理人の指が忍び込んできた。
「っ」
「濡れてる」
指摘に恥ずかしくなって顔を理人の胸に埋めた。
「……だって」
言い訳が媚びているような口調になる。
「あなたのこと、ほしかったんだもの」
恥ずかしさを堪えて、小さく呟く。ぎゅ、と目を瞑った。
「……理人さん?」
夫からのリアクションがないのに心配になった希空が目をうっすらと開くと、理人がシャワーノズルを握ったところだった。
「洗剤は粘膜によくないから」
ぐい、と脚を掴まれると、高々とあげさせられた。シャワーを秘所にあてられる。
「ぁあっ」
敏感な場所を刺激されて達してしまう。
「今日から装着けない」
理人は宣言すると、分身を希空のナカに埋めた。
***
二人はバスルームで愛し合ったのち、ベッドルームへ戻ってきた。
ぬくぬくと、互いの腕の中に収まる。
「今日、大変だった」
ぽつりと理人がこぼす。
「うん」
雷が機体に落ちることが、ないわけではない。当たれば、どうなるかわからないまま、搭乗客を乗せて雷雲を飛ぶ。揺れるし、エアポケットに落ちるだろう。搭乗客のパニックはどれくらいか、想像もつかない。
「前に言ってたよね。目的地を前にして引き換えすこともあるって」
『誰も、俺も望んでいない』と。
「ああ」
今回も引き返しかけていたのだ。
理人が、強い瞳で希空と視線を合わせてきた。
「だが『なんとしてでも希空のもとに帰るんだ』って決めていた」
「理人さん……」
希空は夫の裸の胸に寄り添う。
「マーシャルのライトを見た時、『いつもより高い位置だな』と思った」
ぴくりと反応してしまう。理人が心と体をほぐしてくれたとは燁、身長と胸の話題は希空にとって鬼門だ。
「『ああ、希空だ』と思った途端、ピリピリしていたものが抜けたんだ」
嬉しそうな声に希空の体からも力が抜ける。
「俺は以前、『君の光でありたい』と告げたけど」
「うん」
そのとおりだ。彼は迷っている希空の光そのもの。
「希空を見た瞬間、『俺の光はここにある』と思った」
理人さんも、そう思ってくれていたんだ。
嬉しくて涙が出る。
「希空、愛している」
「私も……」
二人の唇が再び出会う。そして理人は希空に覆い被さった。
「明日の朝、早いんだけどな」
理人が楽しそうにいう。
「お手柔らかに……」
希空ははにかんで夫の耳元にささやいた。
FIN。


