見ようとしないものは見えない
『見ようとしないものは見えない』
1.インドの神様
インドの破壊神のこども、病気の兄妹
神様が病魔を退散させ花冠つけ
おいしいフルーツあたえ神輿に担いだ
ふたりは預言し人々をおどろかせ
星を詠みあがめられた
華々しい行進の季節が終わると
神様はお隠れになり
花冠も神輿もなにもかもが消えた
上着も下着もぬすまれて
どろのなかに投げ込まれた
街じゅうのひとがひそひそ話す
あの子たちはいまやどぶねずみのようだ
神様は最初からいなかったのだろうか
神様はひどい存在なのだろうか
子供たちは気づいた
自分たちが神様のようだと思っていた
けれどちがった
這い上がり方を習い
這い上がればどれだけ幸せかを習った
だけだった
病気からの立ち直り方は習った
預言をする方法も
星を詠む方法ももう習った
その学びこそが
すべてだったと
あのときは
神様は素晴らしい環境を与えた
こんどは環境を与えられない
泥の中で2人きり
いかに習ったことを使えるか
もしくは、環境を掴むか
誰とつながるか
というお試しであるのだと
見ようとしないものは見えない
どろのなかにある宝石も
草の中にある苺も