危険な隣人たち

その夜、再び

帰り道、ゆいは心の中で答えを見つけようと必死に考えていた。
竜也と飛鳥、どちらの手を取るべきなのか。
どちらが自分を、より大切に思ってくれているのか。

その時、ふと気づくと、道隆が後ろからついてきているのが見えた。
「道隆さん?」

道隆は、いつもと変わらぬ表情でゆいを見つめている。

「どうしたの?」

道隆は何も答えなかったが、その目には確かに「守るべきもの」が映っていた。

「……これから、どうする?」

ゆいがそう言うと、道隆はゆっくりと歩を進めながら言った。

「君が決めることだ。だが――覚えておけ。君の周りにいる者たちは、君を守るためには何でもする」

その言葉に、ゆいはほんの少しだけ、冷たいものを感じた。
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