危険な隣人たち

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市川がゆいと話しているのを見た瞬間、俺の中で何かがひび割れた。

……殺す。

それは冗談じゃなく、本気で思った。
でも、そんなことをすれば、ゆいが泣く。

だから俺は、もっと陰湿に、確実に、奴の足元を削っていく。

「お前さ、図書委員やめろよ。代わりに俺がやる」
「えっ……え?」
「お前、ゆいの隣に座るな。俺の隣に来い」

市川は何も言えなくなった。

勝手な命令に見えただろう。
でも、これは**ゆいを守るための“選別”**だった。
奴は、ゆいにふさわしくない。
ただそれだけだ。
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