執拗に愛されて、愛して
 どうせ恋愛する気がないなら、付き合っても付き合わなくても一緒?別に遊ぶ相手を雅以外に作る気は無いし、それなら雅が飽きるまで付き合うのもありなのではないかと、そんな最低な考えをした。

 あまりのしつこさに冷静じゃなくなって、きっと早く解放されたかったのもあると思う。ここで受け入れる方が厄介なことになるのは目に見えていたのに、約束の事をずっと持ち出されるのも嫌だったし…と、受け入れる方向に気持ちが傾いていた。


「⋯今と変わらなくていいなら付き合う?」


 そう問いかけると驚いた表情を一瞬見せたが、少し笑って「ん、いーよ。それで。」と言って頬に口づけをしてきた。

 割り切った関係までを許していたはずなのに、気付いたら流される様に面倒な恋人という関係性になってしまっていた。


「…無理、本当に縒り戻す気なんて無かったの。」

「でもときめいちゃったんだもんな?じゃあ仕方ねぇじゃん。」

「ムカつく、殴りたい。」

「俺をどうにかするのにすぐ暴力って形取るのいい加減やめね?」


 元好きだった恋人の力は何年経っても侮れない物だったらしい。
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