執拗に愛されて、愛して
 翌朝、誰かに頭を撫でられている気がして目を覚ますと、雅が腕の中で抱き締めながらずっと撫でてくれていたらしい。

 目が合うと雅は「あ、起きた。」と私の頬を突いてちょっかいを出す。雅の方が先に起きていたのか、目がぱっちり開いていた。


「⋯起きてたの?おはよ。」

「おはよ、てか寝てない。仕事夜からだし、寝れなくて起きてた。」


 腕の中から抜け出して、ベッド脇に落ちている自分の服を拾って身に着ける。毎度こうなった日の翌朝は体がだるい。


「どうすんの?自分の家に帰る?」


 そう話し掛けると雅も体を起こして少し頭を搔く。


「めんどくさ。」

「面倒臭いって…、どうせ帰らなきゃでしょ。出る時、鍵置いていくから帰りは、ポストにでも入れといて。」

「え、合鍵くれんの?」

「人の話聞きなさいよね。」


 雅に話を聞けだなんて無理な話だったのかもしれない。

 雅も私に話を聞けと言うけど、わりといい勝負してしまうくらい話を適当に流していて、玲くんに「そういう所が温度感合う理由なんじゃない?」と良い笑顔で言われてしまったこともあった。かなり不服だ。

 お馬鹿な雅を放置して、今日はどんなヘアセットをしていこうかとヘアアイロンの電源を付けて、鏡を見る。
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