執拗に愛されて、愛して
 考え事をしていると裏から雅が出てきて、こちらに近付いてくる。

 今頭がごちゃごちゃとしてしまっていて、こんな時に雅に傍に居られたら、よくわからなくなってしまう。


「お待たせ、帰んぞ。」

「⋯今あんたと一緒にいたくない。」

「は?ふざけんな。急に意味わかんねぇ事言いやがって。」


 そう言いながら顔を顰めると、雅がカウンターに現金をポンと置いて私の腕を引いて立ち上がらせる。強引過ぎて立ち上がる際にふらつくと、私の体を簡単に受け止めていた。


「じゃあ、後よろしく。」

「ちょっと!?」


 私はまだ雅と帰る事に許可なんて出していないし、雅とこのまま一緒に居る事も許可を出していない。それなのに強引に腕を引いて歩き始めてしまった。

 玲くんに助けを求める様に振り向くと、笑顔でひらひらと手を振っていて見送られてしまう。

 この人達は私の話を誰一人きちんと聞いてくれはしないし、味方なんていないと悟った。


「離せ~~~~~~~!この最低ゴミクズ男~~~~~~~~~~!」

「仮にも彼氏にそんな言葉吐くなよ。黙らせんぞ。」


 …あんたが言うと嘘に聞こえないんですけど。と、本気で身の危険を感じてぞっとした。
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