執拗に愛されて、愛して
 一緒に私の家には帰ってきたけど、私は部屋の隅に座っている。

 そんな私を見るなり、眉を顰めて雅がこちらを見ていた。


「何してんのお前。」


 当たり前に私の家でシャワーを浴びて相変わらず上裸でタオルで髪を拭いている。今だけはいや、あんたが何してんのよって言いたい所を、それどころではないせいで今だけはツッコまないでいた。

 私がこんなに雅を意識してしまうのは、絶対に玲くんが帰り際変な事を言ったからだ。今まで考えずにいられた事を、考えるきっかけになった。

 そもそも雅を一瞬でも好きかもって錯覚したタイミングがあって、その時の違和感をずっと気のせいだと言いながら無かった事にしてきた。それも他人からそうなんじゃない?と言われれば、何となく認めなきゃいけない様な気がしてしまっていた。

 ひとまず気を落ち着かせ、相変わらず隅に座りながら雅の方を見る。


「何、泊まってくつもりなの?」

「そのつもり、明日ここに俺の荷物ちょっと運んでいい?」

「は?何でよ。」

「泊まりに来た時不便じゃん、お前の服入んないし流石に。」


 入るわけないでしょ、気持ち悪い事言うなと言いたかったのを何とか抑える。
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