執拗に愛されて、愛して
「仕事の邪魔さえされなきゃ別にいいだけ。あんたが家に居ても居なくてもどっちでもいい。受け入れたなんて勘違いしないで。買い物も、あんたにいつまでも上半身裸で歩き回られるのも迷惑なの。それだけ。」


 この発言を強がりと思われても何でも良かった。私もきっと、雅とのこんな駆け引きを楽しんでいたのだと思う。

 本音はきっと雅の言う通りだったかもしれないけど、悔しいでしょ。何でもかんでも思い通りにいくと思われているのは。少しくらい私がこの男を振り回してみたいだけだ。

 私の反応を見るなり楽しそうに笑っていた。きっとこの駆け引きを楽しんでいるの私だけじゃない。


「くそうざいって思ってんのに、そういうの嫌いじゃない。」

「そう?てか、良いから早く用意して。荷物持ち必要だから。」

「行っても良いけど今日バー来てくれる?」

「…ただでお酒飲みたいだけでしょ。」

「半分当たり。半分は夏帆が来ると仕事楽になる。」

「人を使って楽すんなクズ。」


 そんな会話をしながらも、先程の緊張していた空気が緩んで、いつもの私達の空気感に戻ってくる。




 私達の関係性はそう遠くない内に、きっとまた変わる。



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