執拗に愛されて、愛して
 何も悟られない様に平然と答えたつもりだったのだけど、雅の目は誤魔化せない様で呆れた様な表情で笑っていた。


「お前、意外と嘘下手な。」


 そう言われても私は雅に自分の気持ちを話したくはない。

 他の女性との話なんて聞きたくなかったなんて言ったら、嫉妬じゃんとか、俺の事好きじゃんって言われるのは分かっていたから。今はまだ、認めたくないし、知られて面倒な女だと思われたくない。


「もう良いじゃん、本当に気にしてないのよ。寝れば忘れるし。」

「俺等ってまだ割り切った関係とかそんなん続いてんの?だから話したくないわけ?仕事の愚痴とかなら話すじゃんお前。」


 私の肩を抱き寄せると、そのまま私の頬に触れてくる。

 私が面倒な女になってしまえばきっとこの男は離れていく。だって、昔から面倒な事を言ったり束縛をする女性が嫌いだったから。何にも縛られたくなくて、自由が好きな人。

 お願いだから私の気持ちには気付かないふりをしていてほしいし、そんな風に優しくしようとして来ないでほしい。放っといてくれたら、自分の中できちんと整理を付けて、何でも無かったふりをして振る舞えるから。
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