執拗に愛されて、愛して
 中に入っていくと、テレビを見ながらソファーで寛いでいる雅が居た。同棲の話を始める前からすでに自分の家の様に過ごしていて、もはや既に同棲済みだったのではと頭が錯覚する。

 人の家なのに気を遣うという言葉を知らないのだろうか、この男は。と考えたが、愚問だった。


「おかえり。」

「…ただいま。」


 鞄をいつもの場所に置いて、ジャケットを脱ぐ。着替えの準備をしている私に雅がソファーからこちらに身体を向けてくる。


「冷蔵庫中に甘いもんあるから食えば?飲み物もあるけど。」

「ああ、助かる。今丁度そんな気分だった。」


 疲れがたまっているから甘いものを欲している。早く甘いものを食べるために、さっさと着替えて冷蔵庫へと急いで向かった。冷蔵庫を開けると、四角い生チョコがいくつか入っているデザートを見付け、これだと手にする。

 チョコレートが好きなのを知っていたからか、チョイスが完璧でそれだけで少しご機嫌になれた。私の分があるなんて思っていなかったから嬉しいサプライズだ。
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