執拗に愛されて、愛して
「男って、ただの後輩よ。」


 そう答えた所で堤くんに「朝比奈さん、行きましょう。」と声を掛けられて、手でOKとサインを作った。これ以上伸ばすと堤くんの昼休みの時間まで奪ってしまう。


「じゃあ、電話切るからね。」

『…本当、お前がそんなただの後輩だとか、ただの友達だって誰でも受け入れてるから周りの男勘違いすんだろうな。』

「え?」


 雅の発言は聞き取れてはいたが、意味が理解出来ず聞き返すと『別に、他の男とのお食事楽しんで』と、明らかに皮肉の効いた言葉が返ってきてそのまま電話を切られてしまう。

 理解が追い付いてくると怒りの感情がどんどんと湧き上がってくる。

 急に電話を掛けてきたかと思えば、一方的にそんな言い方をしてきて勝手に切るなんて、とこの時はものすごく腹が立っていた。


「朝比奈さん?大丈夫ですか?」

「あ、うん。大丈夫。」


 今この時に堤くんと話をするべきではないと判断して、笑顔を取り繕って返事をした。だけれど正直、先程の雅との会話でお昼どころではない。
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