執拗に愛されて、愛して
「嫉妬…ですよね、それ。」


 定食屋に入って先程の電話の内容を話すと堤くんは苦笑いしながらそう言っていた。嫉妬と聞いた後も、何となく信じられず首を傾げる。

 学生の頃は若さゆえに嫉妬や束縛もあったかもしれないけれど、大人になってからそんな姿を見ていないし、精々独占欲くらいだ。考えれば考える程、無いと思えてきて、思わず笑いが零れた。


「いや、ないな。」

「嫉妬しない人ならきっと異性かどうかも確認しないですよ。僕がそれなので、彼氏さんの気持ちわかります。」

「堤くんも嫉妬するの?」

「…彼女は凄く社交性が高い人で、同性、異性関係無く仲良くなって、飲みに行ったりもするんです。だけど、僕はそれどちらかと言えば嫌で。話し合っても僕の考えは理解してもらえないんですけどね。」


 堤くんにももう長く交際している彼女がいるらしく、嫉妬してしまう堤君に対して、彼女は少しさっぱりしている性格の様だった。

 随分前にそれが少し寂しいけれど、そんなさっぱりした所も彼女の良さで好きだと話していた。
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