執拗に愛されて、愛して
「というか、仕事は大丈夫だったの?」

「玲には呆れられたけど、ムカついたまま仕事なんてしたら店の評判落とすかもって脅してきた。」

「バカじゃないの、子供ね。」


 玲くん相手だから甘えて言っているのは分かっているけど、子供みたいなことを言って困らせている雅に少しだけ呆れる。

 雅は少しだけ笑って「それだけ話さなきゃだめだって思って来た。」と、仕事よりも私を優先させたことを言っていた。


「…私も話さなきゃだめだって思ってた。」


 そう言って雅の手を引いて、ソファーに座らせて私もその隣に座る。話そうと決めていたのにいざその時が来たら緊張する。


「まずは、何も考えず不安にさせたこと、ごめんなさい。」

「俺だって夏帆が浮気してるとか、そんな風に思ってるわけじゃないし、夏帆を信用してない訳でもない。俺が信用してないのはむしろ、夏帆の周りの人間の方。」

「それは、雅が知らないからって事?」

「いや、知ってても単純に男と2人で何かされるのよく思ってない。」

「…嫉妬ってこと?」


 嫉妬なんて大人になってからされたこともなくて、まさかと思っていたけど、間違いではなかった様で雅は真顔で「悪い?」と開き直っていた。

 悪いとかは無いけど、嫉妬するのもされるのも面倒って言っていたはずなのに、その時と考えが変わったのか、堂々と嫉妬だと認めている。
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