執拗に愛されて、愛して
 家の玄関の中に入るとそこからは何かが外れた様に突然雅は私の手首を掴んで、壁に押し付けるとそのまま強引に口付けをしてきた。

 私も構えていなかったから突然の事に驚いて、抵抗しようとしたけれど、雅の力の強さに勝てそうにはない。

 久し振りに会えたし、抵抗してもどうせこの男は止めないしと、少し諦めて抵抗するのを止める。

 私の下唇を挟んだりした後、口を開けろとでもいう様に舌先で突いてきて、その指示にも大人しく従う。舌を絡めあって響く水音に頭がクラクラした。

 手首を掴んでいた手を離して、今度は優しく私の手を恋人繋ぎの様にしてぎゅっと握ってくる。

 先程まで強引だったくせに、今度はとびきり甘く優しい。

 しばらく触れ合った後に離れて見つめ合うと、私の頬に触れて優しく撫でてくる。


「…玄関先でやめてよ。がっつくほど若くもないくせに。」

「久しぶりに会って我慢とか無理。てか、まだ20代だろ、いけるって。」

「バカじゃないの。」


 軽く身体を押すとようやく靴を脱いで部屋の中に入る。私がこっちで生活してからこの部屋に上げるのは初めてだ。
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