執拗に愛されて、愛して
「ありがとう、大事にする。」


 そう言いながらブレスレットを手に取って、こちらに渡してくると「着けて。」と甘えるように言ってくる。こんな風に甘えるのは別に珍しくないけど、こういう姿を久しぶりに見たからか少し可愛く見えた。

 ブレスレットを受け取ると、雅は左利きだから右手首に着けた。こんな独占欲丸出しでプレゼントするの初めてだから、恥ずかしかったし雅は嫌がるかもとは思ったけれど嫌がってはいないようで、右手首に着いたブレスレットを少し嬉しそうに見ている。

 それから視線を私の方に向けると、私の手を掴んでそのまま優しく握る。


「…何。」

「…今回は耐えれたなって。遠距離。」


 すごく辛い時も何度もあったけれど、今回は雅がずっと待っていてくれて、何度も会いに来てくれたし、大人になってから聞く結婚の重みは全く違ったようで、その約束があったから私も離れていても耐えられた。

 子供の時に耐えられなかったことを大人になってから、2人で乗り越えられてすごく嬉しかった。


「会いたかった?」


 そう言って余裕そうな表情で笑う雅。普段ならムカついて「会いたかったのはあんたでしょ。」くらい言ってやるのに、全然そんな気にはならない。

 だって実際、どうしようもなく会いたかったから。

 目から涙が零れそうになるのを何とか堪えて、私も笑顔を見せ「…すごく、会いたかった!」と数か月前と全く変わらない答えを言う。

 素直に言葉にした私に雅も笑い返してくれて「俺も。」と返してくれた。

 たくさん不安な気持ちにも寂しい気持ちにもなったけれど、結局この男が好きな気持ちだけは、遠距離中もずっと変わらないままだった。
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