執拗に愛されて、愛して
 用意したのは革製のキーケースと、おそろいのシンプルなデザインのブレスレット。

 これから一緒に暮らすしおそろいのキーケースで、同じ鍵を入れて、それで同じ家に帰ってくるとかいいのではないかと思い、私も色違いのキーケースを持っている。

 ブレスレットは、いつもアクセサリーをプレゼントする時に、独占欲を丸出しにするから、たまには私だってしてもいいんじゃ…、と選んだもので、それもおそろいだとは雅に言えず、プレゼントを見ている雅をただただ眺めていた。

 そわそわして落ち着かない気持ちになり、アイスティーをストローで吸い込むと、雅が私の左手首に着いているブレスレットに触れ、軽く掴んでいた。

 何も言っていなかったのにもう気付いたらしく、雅はふっとこちらに笑みを見せてきている。


「へー、おそろいとかそんな可愛いこと出来たんだ。」

「…ただの気まぐれよ。」


 アラサー2人が浮かれておそろいだなんて少し恥ずかしいと思ったりもしたのだけど、どうせ私達しか気付かないと言い聞かせて、私にしては勇気を出して選んだものだ。だけど、雅にもこんなすぐにばれるとは思っていなくて少し恥ずかしい。
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