執拗に愛されて、愛して
「寝てると思ってた。起きてたんだ。」

「話したくて待ってた。」

「それ今日じゃないと無理?疲れたし早く寝たいし、今日も仕事だし。」


 もう何も期待していない表情をしていて、そう返してくると中々返事が出来ない私の横を通り過ぎて行った。そのままリビングに行ってしまい、今日じゃないと無理?と聞きはしているけれど、きっと話す気なんてそもそもない。

 これ以上強引に話をしようとしてもだ。雅がその気になるまで待たなくては、と考えを改め「後日で良い」と返事をし、そのまま寝室に逃げ込んだ。

 今まで私が雅を雑に扱ってきたのに、自分がこんな風にされたら傷付くなんて都合が良過ぎる。せめて、涙だけでも見せない様にすぐにベッドの中に入り込んで横になり、ブランケットを鼻辺りまで被った。

 昼間のあの話し合いから雅も冷静になれた様で怒ってはいなかったけれど、目も態度も冷たくて、もう冷められてしまったのかと思った。

 仕事を大事に思っていたからって、雅の事を大事に思っていなかったわけでは無いけれど、優先順位をいつも後回しにし過ぎてしまった。自分でもそんな風な扱いをされたらきっと怒ったと思う。
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