執拗に愛されて、愛して
「いたっ、何してんのよ!」

「にやけてんの見えてんだよ!にやけんなあほ!」

「珍しく可愛い顔してるから!」


 そう言いながら言い合いながら、じゃれている間に雅にベッドに押し倒される形になって、そこで子供の様な言い合いは止まる。

 恋人らしくなってからはいつも私の方が雅を好きなのだと思っていたのに、最近は雅の方が愛を重いのではないかとようやく思えてきた。

 嫉妬も束縛も不安も私の事を考えて行動してくれるところも、きっとこの人の方が回数が多い。


「…後、反省したのは、常連客に俺の接客を文句言わずに居てくれる彼女に向かって、お前は一回の飲み会程度で文句言うのかって怒られた。」

「…誰そのイケメンは。」

「女だよ。」

「女性でも関係無い。あんたにもそうやって言ってくれる人居るのね。ていうか、相談したの?」

「愚痴こぼしただけ。」


 雅の事をよくわかって見てくれていた人がきっとそんなアドバイスをしてくれたのだと思う。他の女性客であればそんな女別れろなんて言って、雅との仲を狙うだろうし、そうしなかったという事は、きっと雅を大切に思ってくれている友人なのだと思う。

 雅もきちんと友好関係を築いて、間違っている事は間違っていると言ってくれる友人が、玲くん以外にいると知って嬉しくなった。


「だから、それも含めてごめん。」

「…私もごめんね。」


 謝罪の言葉を交わし合って仲直り、と行きたかったのだけど、後々冷静になって色々思い出せば腑に落ちない所があった。
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