執拗に愛されて、愛して
「新婚旅行とかは…?」

「うん!いってきた!私の希望でモルティブに行って来て、海が綺麗でね。水上コテージにどうしても宿泊したくて。写真見る?」

「見たいです!」


 撮影した海の景色やホテルの部屋を紗希ちゃんに見せる。全面が水槽になったレストランで食事をしたり、本当に幸せな1週間だった。


「凄く素敵です…!」

「海外初めて行ったけどいいわよね…。そのうち韓国も行きたい…。」

「韓国最高ですよね。私も行きたいです。」


 2人でそんな話をしながらお酒を2人で飲んでいると雅がカウンター内に戻ってくる。玲くんが今度はカウンターの外でお客の対応をしている。


「何の話?」

「この間モルティブ行ってきたよって話。」

「あー、その話か。」


 まさか雅と海外旅行なんて行くことになると思っていなかったから、不思議な感じだったけど玲くんが上手く休みを調整してくれておかげで行けたから感謝しかない。


「でも結婚式はしないにしても写真も撮らないんですか?」

「うーん。」


 そこまで考えて雅のタキシード姿を考えたら写真良いかもしれないってなった。その考えで雅の方を見ると少し引き攣った顔でこちらを見ている。


「何…。怖いんだけど。」

「タキシード…着る?」

「着ねぇけど。」

「何でよ!着てよ!」

「頭湧いてんのか。」


 急に怒り出す私にそう言って煙草を取り出して咥えて火を点けている。

 私が着飾ったりするのは嫌だけどこの男の格好良い姿ならいくらでも見てみたい。もはや私が一番雅を格好良く撮影できる自信さえあるので私に撮影をさせてほしいと思う。

 そんなプロのカメラマンに対する冒涜の様な考えをしてしまった私だけど、雅の良さを一番理解しているのは私だという自負があった。
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